Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
二
I@
「……すごい、雪姫が言うことをきいたわ。あれ、本当に小学生?」
みのりが呟くと同時に太一が振り返る。
「えっと、みのり様? ここのお菓子食べてもいいですか?」
首をかしげて尋ねてくる太一へみのりが戸惑ったような顔をした。
「え? ええ、どうぞ……」
気後れしたようなみのりを見るのが珍しく、涼介は目をまたたく。
(いろんな意味ですごい子だな、太一君って)
内心で唸っていると碧の声が聞こえてきた。
「さて、話もまとまったようですし皆様そろそろ座ってお茶でもいかがですか?」
碧の言葉に頷いた女将が手際よくお茶を配りはじめる。
「って、碧! さっきの説明がまだよ」
目を剥くみのりに碧がのほほんと答えた。
「それはお茶を飲みながら説明させていただきますよ」
お茶を手にしながら微笑む碧を見て、涼介はこっそり感激する。
(さすが大人の男って感じだよなあ)
自分にはない余裕が眩しくてうらやましい。
(俺には一生身につきそうにないしな……)
小さく吐息する横でみのりがうろんげに碧を見やった。
「本当でしょうね?」
みのりの言葉に涼介もふと我に返る。
そういえば、いまさら何をどう説明するというのだろう。
「説明ってどういうことですか?」
素直に碧へ問いかけると、碧が肩を竦める。
「簡単なことですよ、涼介君。ここにいる方々の共通点はなんですか?」
質問を質問で返され、涼介は困惑しつつその場にいる全員の顔を眺めた。
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