Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
二
IA
「黄金梅……ですか?」
浮かんだキーワードが正しいのか自信がなく、
涼介はおずおずと口を開く。
「そのとおりです。さすがは涼介君ですね」
目を見開き大仰に感心した声をあげる碧を前に肩を落とした。
(やっとわかったか、って目だよなあ)
彼の期待に応えられない自分がもどかしく、
またそんなことを思うこと自体が情けない。
「褒められてないことだけはわかりました」
苦笑して答えていると、みのりがふんと鼻を鳴らしてきた。
「そんなこと私にだってわかったわよ」
そっぽを向くみのりを横目に碧の目の色が心なしか深くなる。
「おや? やはり兄弟ですね」
言われた意味は考えるまでもなく長男、雅秋のことと知れ、
涼介は苦い思いに囚われる。
(あの人に似てたらもっと楽だっただろうけど……)
無言で渋面を作っていると、
みのりがきょとんとこちらを見つめているのに気がついた。
意外な物でも見るようなその表情に耐え切れず、涼介は視線を逸らした。
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