Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
二
ID
(獣人たちが妨害ってどういうことよ?
もう彼らにまで黄金梅を実らせようとしていることを
知られているってこと?)
まだ黄金梅を実らせようとしてから数日しか経っていない。
にも関わらず獣人たちに知られているかもしれない状況に
みのりは耳を疑った。彼らの情報網はそこまで広いのだろうか。
あまりにも早い獣人たちの行動に戸惑いを感じる。
(そもそもなんで、山波さんの家だったのかしら?)
これが獣人たちを毛嫌いし、
彼らを断絶させたい人間の家たったのならまだわかる。
しかし飛田という鹿の獣人が懇意にしている家を襲撃したというのが、
いささか腑に落ちない。
襲撃せずとも話し合ったほうがよっぽど建設的に思えるからだ。
それとも襲わないといけない理由があるのだろうか。
みのりが首をかしげながら思考を繰り返している中、
山波が襲ってきた獣人の特徴を口にした。
「はあ、耳が狼っぽかったです。はい」
「え……」
しかしそれに反応したのは獣人たちと接点がないように見える
現国教諭の麻里だった。
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