Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




@




 みのりは、部屋から出て行った太一が戻ってくるや、

すぐさま碧を見た。


「早く梅の宿に囚われてる女性を助けに行きましょう!

碧! 車を用意してちょうだい!」


 勢いよく机に手をあて立ち上がり、にこりと笑みを浮かべる。

しかし、意気込むこちらの出鼻をくじくかのように

側近が待ったをかけた。


「お嬢様、申し訳ありませんがそれはできかねます」

「なっ、どうしてよ!」


 思いもよらない言葉にみのりは目を剥く。

問い詰めようと碧へ駆け寄ろうとする前に、

紅の鈴の音のような声が聞こえてきた。


「車、小さい。人、たくさん」

「みんな乗れないんじゃないかい?」


 紅の言葉を説明するかのようにあとへ続いた涼介の声に、

みのりは碧へと向かおうとしていた足を止める。

確かに彼の言うとおりだ。

自分たちだけで律子を助けに行くのならば問題はない。

だが、雪姫の存在を知られてしまった今、太一や山波、麻里たちを

置いて律子を助けに行くという選択肢は考えられなかった。










一つ前に戻る   GPの部屋に戻る   次を読む





QLOOKアクセス解析