Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
三
A
「あ……そ、それならどうすればいいわけ?」
囚われている場所がわかっているにも関わらず
その場へ行くことができないという状況に、みのりは眉を下げる。
それを感じ取ったのか太一が不安そうな顔で
涼介へ話しかけていた。
「どうしたの? おばちゃんを助けに行かないの?」
(この際、碧たちだけで野木崎さんを助けに行ってもらう?
でも野木崎さんの顔を知らないからダメよね)
何がいい案が出てこないかと腕を組み唸る。
それを女将の声が遮った。
「従業員用のハイエースならございますから
それをお貸しいたしますよ」
綺麗な笑みを浮かべ、なんでもないように提案してくる女将の言葉に
みのりは飛びついた。
「本当ですか!」
「もちろんでございます」
「よろしいのですか?」
しかし素直に喜ぶこちらとは裏腹に、
碧はニコリと笑み深めながら頷く女将を警戒するように
じっと見つめている。
(もう碧ってばそんな態度したら
女将の気が変わっちゃうかもしれないじゃない!)
みのりは女将が何かを言うたびに、
彼女の裏でも探るかのようにためらう素振りを見せる
側近をハラハラしながら眺めた。
一つ前に戻る GPの部屋に戻る 次を読む
|