Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
三
G
「太一君。危ないよ」
それから横で右腕を握り込んで様子を窺っているみのりへ向き直る。
「みのりさん、先に乗りなよ」
みのりのために入り口を譲っていると、先に山波が割り込んできた。
「お、本当だ。よっこらせっと」
太一に続き乗り込む山波を見ながら、おいおい、
と涼介は内心で肩を竦める。
悪気はないのだろうが、少し邪魔だ。
(まあ、彼女がケガしたわけじゃないからいいけど)
みのりに何かあったら色々と困る。
何が、というわけではないが、痛かったり辛かったりされたら嫌なのだ。
(あんまり泣いたりするような子じゃないしな……)
彼女との付き合いはまだ短いが、
とてつもなく我慢強い子であることはわかっている。
それだけに、あまりキツい思いはさせたくない。
(せめて碧さんとうまくいくまでは守らないと)
胸の裡で小さく決意しみのりを見やると、
不機嫌そうに眉根を寄せたみのりが詰め寄ってきた。
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