Gold Plum

第三章


救出


〜涼介＆みのりの場合〜


三

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「あー、なんだ。坊主にはまだわからんだろうが、

好きあってる者同士ってぇのはそういうもんなんだ。うん」


　とんでもない勘違いをするのは太一だけだと思っていたのだが、

そうでもないようだ。

わかっていますよ、と言わんばかりに満面の笑みを浮かべている

山波へ、みのりは即座に訂正した。


「す、スき合ってるわけじゃないですからね、山波さん。

勘違いしないでください」

「そ、そうですよ！　山波さん！」


　熱を持った顔で鼻息を荒くさせていると、

涼介が必死の形相で便乗してくる。


（な、何よ、そんな全力に否定しなくてもいいじゃない）


　山波たちの意見に同意されても困るのだが、

あんなふうに真剣な表情で首を横に振られるのもいい気分ではない。

まるで、この中に聞かれたくない相手でもいるみたいだ。


（そういえばさっきから前のほうを気にしてるみたいだけど……）


　みのりはこっそりと、前方へ視線をやった。

碧がいつものように紅へ話しかけ、素っ気なくされている。

見慣れた風景に肩を竦めると、こちらの視線に気づいたのか

おもむろに視線をずらした紅と目が合った。

他の人は気がつかないほどの表情の変化ではあるが、

紅が嬉しそうに笑う。その姿を見た瞬間、わかった。