Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
三
IE
車が宿を出てからしばらくして、太一が窓の外を覗いながら訊いてきた。
「ねえ、おばちゃんがいるところ車でどのくらいかかるの?」
太一の問いに、涼介は首をひねる。
「んー初めて行くところだから俺にはどれくらいだかわからないなあ」
そもそも正確なことを伝えてしまっていいのかもわからない。
(太一君も置いていくわけにはいかなかったのか……?)
黄金梅の実が成る条件には色々と面倒なことがあるようだが、
そういった細かいところはまだ理解できていない。
今のうちに訊いておこうか。
それぞれ同じ事情で集まっているのだから、
それくらい訊いてみても構わないだろう。
涼介はみのりへ声をかけようと口を開く。
だが、それより先に碧の声が飛んできた。
「順調にいけば15分程度でつきますが……」
苦りきったようすの声音に涼介は目を瞬く。
「どうかされたんですか?」
「その煮え切らない言い方は何よ? 何かあるの?」
問いかけると、同じように思ったのかみのりも碧へと尋ねた。
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