Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




IF




「少し荒くなるので皆さんもシートベルトをお願いします」

 碧はみのりの言葉に答えず、要求だけを述べてくる。

「お嬢様、シートベルト」

 横に控えていた紅も端的にシートベルトの着装を促してきた。

(何かあったんだろうな……)

 こういった場面に何度も出遭ったわけではないが、なんとなくわかる。

(どっちにしろ、碧さんに任せるしかないしな……)

 涼介は納得して、すばやくシートベルトを伸ばした。

「え、シートベルト? もしかして追われてる?」

 いまいち状況を把握できていないのか、みのりが再度前の2人へ問う。

(そんな場合じゃないだろう)

 何かあったらどうするのだ。

「いいから早くシートベルトしなよ、君」

 涼介は少しいらつきながら、みのりへ指摘した。










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