Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
三
IG
「追手ですか?」
シートベルトを締めながら尋ねると、碧が、ええ、と肯定してくる。
「どこで気づかれたのか、後ろに3台ほどついてきているようですよ」
やっぱりか、と涼介は唇を噛み締める。
碧や紅が前にいる以上、
太一とみのりをなんとかして守らなくてはならない。
(まあ、碧さんのことだから振り切ってくれるとは思うけど)
そっと深呼吸をして体勢を整えていると、
横から耳をつんざくような声がした。
「だからなんで指図してくるのよ!
あんたの指図は受けないって言ってるでしょう!」
みのりが、それでもきちんとシートベルトを締めつつ文句を言ってくる。
「そんなバカな言い争いしてる場合じゃないだろう!」
こんな大変な時にこの娘(こ)は何を言っているのだ。
涼介は怒りにまかせ、太一のシートベルトを締めながら反論した。
「バ、バカなによ! 失礼にもほどがあるわよ」
みのりが鼻白んだように身を反らせる。
涼介は頭を掻きむしりたい衝動をどうにか堪え、みのりへ告げた。
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