Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
三
IH
「言われたくなかったら少し静かにしなって。
でないと舌を噛むことになると思うよ」
「あんたが言わせてるんでしょうー!!」
間髪入れず返ってきたがなり声に深い溜め息をを吐いていると、
太一がおもむろに口を開く。
「みのり様、お兄ちゃんはみのり様のことが心配でしかたないんだよ。
ね、おにいちゃん」
邪気のない笑みで尋ねられ、涼介は固まった。
「う……。いや、う……うん……まあ……そう、かな?」
確かにその通りなのだが、素直にそれを言うことはためらわれる。
(そりゃ心配なんだけど、ええっと、いや、そうなんだけど……)
対応に困ってそっぽを向くと、みのりの素っ頓狂な声が届いた。
「し、心配!」
そうなの、と探るように追いかけてくるみのりの視線を振り切れず、
涼介は下を向く。
「そ、そりゃ、だって、そんなきれいな顔に傷でもついたら、とは思うし……」
ぽりぽりと頬をかきながら告げると、みのりのつんけんした答えが返ってきた。
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