Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
三
IIA
「それでは行きますよ」
山波と小越からの返事が来ると同時にグンっと車のスピードあげる。
「キャっ」
構えることをしていなかったせいで
背もたれへ頭をぶつけるこちらとは裏腹に、
太一のはしゃぐような声が聞こえてきた。
「うわーっ。なんかジェットコースターみたいー!」
太一は複数の車を追い越す中、キラキラと瞳を輝かせ前を見ている。
みのりは振り回されないようシートベルトをぎゅっと握りしめた。
信号が赤になる。ここで止まってしまっては追いつかれてしまう。
焦るこちらを尻目に車のスピードは落とされることなく、前へ進む。
「きゃー!」
麻里の悲鳴が車内に木霊す中、車がぐるりと反対車線へ回り込んだ。
「まずは1台っと」
「すげー!」
こともなげに呟く碧の言葉に、涼介が感嘆の言葉を送る。
それでもまだ安心できない。みのりは首をひねり後ろを窺う。
いつの間にかずいぶんと距離を縮められていたようだ。
ぴったりとついてくる車が見えた。
「あと2台、碧早くかわしなさい!」
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