Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
三
IIG
「おや? 助かってしまいましたね」
碧の声に外へ視線を向ける。
追っ手の車は警察車両がきたとたん、
さあーっといなくなってしまった。
あれだけしつこくついてきたというのに、
呆気ない幕切れにみのりは口をあんぐりと開ける。
(警察が来たぐらいで逃げるなら
最初から追ってくるんじゃないわよ!)
発砲され死にそうな目にあったかと思えば、
あわやこちらが警察に捕まるところだったのだ。
ふつふつと怒りが沸いてくる。
「こんなことですぐに引くなんて……なんか変だ……」
他の面々が安堵のため息をついている中、
涼介だけは眉間にシワを寄せている。
呟くように言われた青年の言葉にみのりは顔をしかめた。
「どういうことよ?」
涼介が何にひっかかっているのかわからず問い返す。
口に出した直後、そんなこともわからないのかと
嫌みが来るかと構えたが、
涼介が視線を向けてくることはなかった。
それどころか心ここにあらずといったふうに青年は腕を組み黙り込む。
そして、考えがまとまったのか答えをポツリポツリと言い始めた。
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