Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
三
IIIC
「でも、実際問題、裏から回り込むかそのまま正面から入るか、
どうしたらいいんでしょう?」
どちらから入るにしても危険なことには変わりがないが、
太一とみのりもいるのだ。
あまり無理をさせるわけにはいかないだろう。
腕を組んで考えていると、みのりが目を瞬いてきた。
「そんなのどうどうと正面から入ればいいでしょう。
なんでわざわざ裏から入らなきゃいけないのよ」
みのりの言葉に涼介は人差し指を立てつつ考えを告げる。
「追手がいたくらいなんだから、もうこっちが来ることは知ってるはずだろう?
ってことは堂々と入ったほうがいいのか、避けるべきなのか、
どっちが効率いいのかわからないじゃないか」
なるべく簡潔に説明すると、みのりが小さく息を呑んだ。
「そ、そんなことわかってるわよ。だからこそ正面突破がいいんじゃない。
まさか追っ手だって追われてるくせに表からくるなんて思ってないわよ。うん」
視線を逸らし、みのりが早口で捲し立てる。
(なるほど……)
みのりの考えにも一理あるかもしれない。
涼介は頷きつつ、碧を見た。
「そうか。それもそうかもしれないな。どうでしょう、碧さん?」
碧へ尋ねると、のんびりとした声が返ってきた。
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