Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
三
IIID
「そうですねー。
お嬢様が最初からわかっていらしたのなら満点を差し上げられたんですが……
まあ、及第点ってところでしょうね。
お嬢様の言う通り正面に車を止めさせていただきますよ」
答えながらカーブを曲がる碧に対し、涼介は首肯する。
「わかりました」
碧が言うのならば間違いはないだろう。
さすがだな、と一人感心していると、碧が再び口を開いた。
「そうこう言ってるうちに到着しました。前方の見えるのが『梅の宿』ですよ」
すんなりと駐車場へ停車して、碧がエンジンをとめる。
降りる準備をするために『梅の宿』を眺めると、
エントランス前にラフな服装をした男たちが数人目に入った。
ポケットに手を入れながらちらちらとこちらを窺っている様子の男たちを見て、
涼介は眉根を寄せる。
「なんか、嫌な予感がするなあ……」
ただの客だという可能性もあるが、何かひっかかる。
すぐに出るべきか迷っていると、太一が袖をひっぱってきた。
「また怖い人?」
「うーん。そうじゃないといいね」
曖昧に微笑むと、山波が胸に拳をあてて豪語する。
「大丈夫だぞ、坊主! 俺がどついてやるからな」
「うん。おじちゃん強そうだもんね」
自信たっぷりで告げる山波の言葉に口元を綻ばせる太一を眺めていると、
山波の向かい側で小越も声をあげた。
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