Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




B




「ダメよ。太一君はそこのお兄さんと車で待ってて」


 慕っている涼介を指名しておけば太一も素直に頷くだろう。

そう思い提案していると、山波からの横やりが入る。


「坊主は俺と一緒にでよう」


 山波の何も考えてなさそうな陽気な声に呆れる。

せっかく太一を車へとどめておけるチャンスだったのに、

これでは太一を説得するのは至難の業に違いない。


(山波さんってば何考えているのかしら?)


 案の定、山波へキラキラさせた瞳を向けた太一が

元気良く返事をした。


「うん。おじちゃん一緒に出ようね」


 頬を蒸気させ嬉しそうにする太一の顔を尻目に、

みのりは内心でため息をついた。


(もう仕方ないわね)


 太一のことは山波に任せ、早々に外へ出てしまおう。

安全の確認さえしてしまえば問題ないはずだ。

みのりはいまだに動こうとはしない面々を置いて、車から降りた。










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