Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




F




「狸? 狸ってことは獣人ってこと?」

 事態が飲み込めずにいるらしいみのりを背中で押さえ込んでいると、

真横を碧が走りすぎていく。

「涼介君。そのままみのりお嬢様を頼みましたよ」

「はい!」

 紅と対峙している男へと突進していく碧へ頷きながら、

涼介は背後のみのりへ意識を集中させる。 

が、そのさらに後ろから若い女性の声が聞こえてきた。

「う、梅宮さーん!」

 視線を少しだけずらして見やると、

小越が黒いヒールを構え走ってくるのが目に飛び込んでくる。

(はあ?)

 あの女性は何をするつもりなのだろう。

わけがわからず、涼介は内心で盛大に呻いた。










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