Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




IA




「バカ! やりすぎだ! 今彼女を殺してしまっては……」

 発砲しようとする狸の獣人をもう一方の狸男が叱責する。

そんな狸の獣人を見て碧が毒づいた。

「お嬢様! ちっ、しぶといですね」

 碧が銃を構えた狸の獣人へ回し蹴りをお見舞いする。

「お嬢さま!」

 紅の叫びを聞きながらみのりを身体ごと庇っていると、

頬へ銃弾がかすめた。

「た、助かった! みのりさん、けがはないかい?」

 どうやら外れたようだ。 

涼介は心から安堵して急ぎみのりを起こす。

「わ、私は大丈夫だけど、涼介が……」

 涙目になるみのりを見て内心でうろたえた。

普段気丈に振る舞っているだけに、

こういう場面に出くわすと頭が混乱してしまう。

(どうしよう……)

 潤んだ瞳に見上げられ、心拍数があがった。

彼女の視線から目が離せない。

(きれいだ……)

 涼介は脳内が麻痺したかのように何も言えず半ば茫然と佇む。

その頬に、細く白い手がゆっくりと伸びてきた。










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