Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
四
IA
「バカ! やりすぎだ! 今彼女を殺してしまっては……」
発砲しようとする狸の獣人をもう一方の狸男が叱責する。
そんな狸の獣人を見て碧が毒づいた。
「お嬢様! ちっ、しぶといですね」
碧が銃を構えた狸の獣人へ回し蹴りをお見舞いする。
「お嬢さま!」
紅の叫びを聞きながらみのりを身体ごと庇っていると、
頬へ銃弾がかすめた。
「た、助かった! みのりさん、けがはないかい?」
どうやら外れたようだ。
涼介は心から安堵して急ぎみのりを起こす。
「わ、私は大丈夫だけど、涼介が……」
涙目になるみのりを見て内心でうろたえた。
普段気丈に振る舞っているだけに、
こういう場面に出くわすと頭が混乱してしまう。
(どうしよう……)
潤んだ瞳に見上げられ、心拍数があがった。
彼女の視線から目が離せない。
(きれいだ……)
涼介は脳内が麻痺したかのように何も言えず半ば茫然と佇む。
その頬に、細く白い手がゆっくりと伸びてきた。
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