Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
四
IC
「……もしかして、心配してくれてるのか?」
ためらいがちに問うと、みのりの頬が朱色に染まる。
「わ、私があ、あんたなんかをし、心配するはずないじゃないの。
それより紅も来たことだしここはいいわ。
あんたは太一君のところへ行ってあげなさい」
邪魔だと言わんばかりに手を払い太一を示すみのりに呼応するように、
紅が近づいてきた。
「お嬢さま」
紅がみのりへ話しかけるのと同時に、
さらにもう一人の狸男が善郎の攻撃をかわしてみのり目がけてダッシュしてきた。
すぐに紅が狸男の前へ立ちはだかり、攻撃を受ける。
(紅さんが一緒なら大丈夫かな……)
涼介は一瞬迷う。
みのりには紅と碧がいるが、太一には誰もついていないのだ。
(このままじゃ太一君が一番危ないもんな……)
わかっているのになぜか去りがたく感じる自分に戸惑いつつ、涼介は頷いた。
「わかった。彼女は俺より強いしね。でも、くれぐれも気をつけて」
隙をついてくる奴らもいるだろうと思うと気が気じゃない。
頼むよ、と目で訴えると、みのりが澄ま顔で答えてくる。
「その言葉そっくりお返しするわ」
「素直じゃないなあ……」
そんなところが放っておけないのかもしれない。
涼介は苦笑しつつ太一の元へと向かった。
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