Gold Plum





第四章


疑惑


〜みのり&麻里の場合〜




IB




「涼介いらない……始末、する?」


 紅の口からこぼれた物騒な言葉に、みのりは一瞬思考が停止した。


「へ? そっち? ってダメよ、ダメ!

一応あんなんでも梅八家の子息だし。

そりゃあいつにはいつもイライラさせらてるけど……」


 首を横へ激しく振り、考えを改めるよう説得する。

紅の頬が少しずつ膨れていっているような気もしたが、

それには触れず言葉を重ねた。


「でもほら、何度も助けてもらったじゃない?

まさかあいつが前に出てくるなんてビックリよね。

でも、涼介ってば弱いと思っていたのに、

意外と体もガッシリしてたし……って何言ってるのかしら、私」


 無意識に出た言葉が発火剤となり、顔に熱を持つ。

ブンブンと顔を振って熱を覚ましながら、

みのりは話をたたむことにした。


「と、とにかくあいつには借りができたようなものなのよ。

だから始末だなんて言っちゃダメよ、紅」


 渋々ではあるが紅が頷く。

それでも何か言いたげな視線を向けてくる彼女から逃れるように、

みのりは話題を変えた。










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