Gold Plum





第四章


疑惑


〜みのり&麻里の場合〜




A




「お嬢さま、大丈夫?」


 そこそこ体力には自信を持っていたが、

碧や紅の前では取るに足らないものだったようだ。

しかし紅たちの前では、主としての意地もある。

みのりは、彼らに弱いところを見せたくなくて無理やり呼吸を整え、

背筋を伸ばした。


「だ、大丈夫よ!

それより、あの男たちは律子さんを誘拐した犯人と同じなのかしら?」

「どうですかね。ですが、その可能性は一番高いとは思いますよ。

まあ、証拠もない状況ですからね。断定はできませんけど」


 周囲を警戒しながら、碧が応える。確かに彼の言うとおりだ。

憶測だけで話しを進めてしまえば、

視野が狭くなり重要な部分を見逃してしまう恐れもあるだろう。

そうならないためにもみのりは、話題を変えることにした。


「でもまさか銃で攻撃されるとは思ってもいなかったわ」


 ゆっくりと歩き出すと、そのあとを紅と碧が続く。

みのりは深刻にならないよう明るい声を発する。

だが、真面目な顔つきで返答してくる碧によって、

こちらの気遣いは無意味なものになってしまった。










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