Gold Plum
第四章
疑惑
〜みのり&麻里の場合〜
二
C
「昨日は大変申し訳ないことを言いました。
わたくしごときがみのり様に意見するなど……。お許しください」
「え、え、や、や、山波さん? やめてください!!
そんな、気にしておりませんから……」
みのりは大きな声とともに謝罪を口にする山波を立ち上がらせようと
彼の腕を取る。
しかし、老人とはいえ男性の体を持ちあげることはできなかった。
ジロジロとこちらを見ながら去って行く通行人たちの視線に
居たたまれなくなる。
そこへカツンとヒールの音を鳴らし近づいてくる気配を感じた。
「みのり様、どうぞ父の好きなようにさせてやってください。
もう本当にどうしようもないんだから!」
天の助けとばかりに芽衣子を見つめる。
だが、彼女は父である山波を止めるでもなく、
腰に手を当て呆れた様子で山波を見降ろしていた。
「芽衣子さんまで。本当に困りますから……
ちょっと碧、見てないでどうにかしなさいよ!」
これは罰ゲームか何かなのだろうか。
みのりは泣きそうになりながら碧を睨みつけた。
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