Gold Plum





第四章


疑惑


〜みのり&麻里の場合〜




B




「それほど敵にとっては脅威に感じているのかもしれませんね」

「脅威って……。

ねえ、やっぱり敵は私たちが私のたちの邪魔をして

黄金梅を実らせないようにしているってことでいいのよね?」


 やはり実家の差し金なのだろうか。

きゅっと胸が締めつけられ、苦しくなる。


(お母様は、私の命を狙うほど嫌っているってこと?……)


 物的証拠はなく状況証拠だけで考えるのは

危険だとわかっていても、

どうしても本家からの襲撃だと勘ぐってしまう自分がいる。

みのりは、息苦しさから逃れようと胸元の服を手繰り寄せた。


「可能性の1つとして考えられますが……」


 碧の言葉に一縷の光が差し込まれたような気分になる。

他に可能性があるのならば、襲撃してきた組織は本家意外だ

という場合もあり得るということだ。

みのりは期待に胸を膨らませ、考え込んだ側近の言葉を待った。

しかし、彼の口から出てきたのは別の疑問だった。


「それよりも僕にはどうして敵さんが黄金梅を実らせようと

していることを知っているのかが不思議でなりません」


 碧にしては珍しく困惑したような表情を見せる。

それと同時に彼の疑問はもっともだと、感心した。










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