Gold Plum





第四章


疑惑


〜みのり&麻里の場合〜




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「しかし妙ですね。たしか獣人の現長は我々に嫌悪を抱いていたはず……

その彼が人間を助けるなんて……」

 顎に手をあて考え込む碧の言葉に、麻里はどきりとする。

『今度会った時は敵同士だ』

 あの言葉がまた頭を過り、胸が軋んだ。

痛い、痛い言葉。

(どうしたら彼を救えるのだろう)

 臍を噛んでいると、山波の娘が確認するように飛田へ尋ねた。

「そうなの? 飛田君」

「う、うん。僕も珍しいと思うよ」

 若干戸惑った様子で頷く飛田を見て、麻里は落ち込む。

(同じ獣人の中でも有名なくらい満さんは人間を誤解しているのね……)

 ということは、自分も嫌われているということだろうか。

(敵ってことは、満さんは私のことも嫌いってことなのかしら……)

 満に嫌われている。

その事実を思うだけで、麻里は一段と痛みだした胸をそっと押さえた。










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