Gold Plum
第四章
疑惑
〜みのり&麻里の場合〜
一
C
碧の言葉に頷きながら、ふと思いついたことを口にする。
「でも、涼介のお兄さん、梅畑さんだって知ってたじゃない」
「そこなんですよねー。彼もどうして知ったのか」
こちらの意見に同意しながらも、碧は腕を組み考え始めた。
(でも、そうよね。よくよく考えると不思議よね……)
当たり前のように両親も自分たちが黄金梅を実らせようと
していると思っていたが、
それだってお見合いが嫌で家出していると思っている
可能性だって捨てきれないはずだ。
(宝物庫から種を盗んできた時点でそれはないか……)
みのりは、自分が思い込みたいほうへ
思考が向いてしまったことに苦笑する。
(そうなるとお母様かお父様のどちらかが
梅畑に情報をリークしたってことなのかしら……)
思いついたことをすぐに打ち消した。
本家である両親が、
汚点とも言える今回のことを分家に流すわけがない。
しかも相手は市長を任されている男だ。
弱みを見せるようなことを当主である母がするはずもなかった。
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