Gold Plum





第四章


疑惑


〜みのり&麻里の場合〜




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「俺は認めんからな!」

「お父さん!」

 怒りで息を撒く山波を諌めた芽衣子が、角の飛びだした飛田を振り返る。

「飛田君! 角、つの!」

 目を剥いて必死で背中を撫でる芽衣子を見て、碧が愉快げに微笑んだ。

「おやおや、相変わらず制御は苦手なようですね」

「まったくだ!」

 半分呆れたような碧の言葉に、善郎が同意した。

「すすすすすすみません!」

 顔を真っ赤にした飛田が慌ててかぶりを振る。

とたんに角が前方のみのりへ降りかかり、たまらず彼女が悲鳴をあげた。

「きゃー! 飛田さん、角が生えてる状態で頭を振り回さないでください」

 みのりが飛田の角を躱しながら文句を言うと、

芽衣子が今一度飛田の背中に手を置く。

「飛田君、深呼吸して、ゆっくりすってーはいてー」

 宥める芽衣子の言葉に従い、飛田が深呼吸する。

(よかった……)

 次第に治まりだした角を見て、麻里は大きく吐息した。










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