Gold Plum
第四章
疑惑
〜みのり&麻里の場合〜
二
IIA
「麻里君、大丈夫かい?」
高松が声をかけてくる。
「はい。大丈夫です」
頷き微笑んでみせると、高松の心配げな表情と目が合った。
(え?)
きつく眉根を寄せている彼の面を見て、麻里は目を瞬く。
どうやら本気で心配させてしまったようだ。
謝るべきだろうか、と迷っていると、碧がしきりに謝る飛田を慰めた。
「こちらにケガはありませんので大丈夫ですよ」
「ありがとうございます」
飛田が小さくなって深々と頭をさげると、みのりが微笑する。
「何事もなくてよかったわ。ねっ、紅」
隣にいた紅へ同意を求めるみのりへ、御付の少女がこくりと首を縦に振った。
「大丈夫。お嬢さまにケガさせない」
淡々と告げられた言葉に、みのりが目を細める。
「ありがとう、紅」
心から信頼し合っている紅とみのりを見て、麻里は少しだけ2人をうらやましく思った。
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