Gold Plum
第四章
疑惑
〜みのり&麻里の場合〜
三
C
「長老さんの孫っていうことは、
やっぱり現獣人の長ってことですか?」
「お恥ずかしいことながら……」
朔太郎が襟足を撫でながら顔を俯かせる。
だが、その目線はすぐに山波へと向かった。
「山波さんには、その申し訳ねーことをしてしまったようだべ。
孫の不始末は祖父であるわしの責任だ。申し訳ねーべ」
恐縮至極の朔太郎に、今度は山波が慌てた様子で喚き出す。
「こ、これはこれは!
いや、こちらこそ大人げなく騒ぎだていたしまして、
申し訳ございません」
居ずまいをただし膝たちになり、朔太郎の頭を上げようとする。
しかし、麗がそれを止めるかのように割り込んできた。
「山波さんが怒るのは当然だわ。本当にごめんなさい」
「んだんだ。わしらがついていながらこんな不始末を……」
次々に頭を下げる長老たちに山波も困っているようだ。
「いや、こちらこそお孫様とはつゆ知らずとんだ失礼をば……」
眉をさげ、長老たちから視線を逸らすように俯いた。
一つ前を読む GPの部屋に戻る 次を読む
|