Gold Plum
第四章
疑惑
〜みのり&麻里の場合〜
三
E
驚いた様子の野伏間老人へ麻里は頷く。
「はい。とても優しくていい方だと思いました」
自信満々で答えると、隣で悟がぼやいた。
「そうかなあ。結構乱暴だった気がするけどね」
なんとなく癪に障る言い方に眉を顰めていると、
そのみのりの横にいた碧が視線を高松へ向ける。
「おや、君も長に会ったことがあったのですか?」
尋ねる碧の言葉に高松は答えない。
(なぜ?)
何やら不穏な空気に麻里は小首をかしげる。
一体この2人にはどんな因縁があるのだろう。
麻里は今更ながら高松たちの関係が気になった。
そこへ、野伏間老人の隣で朔太郎が茫然と呟くのが聞こえた。
「あの満が……」
信じられないとでも言いたげにかぶりを振る朔太郎氏の横で、
麗夫人がまあ、と愉快げに笑いかけてくる。
「満が人間を! しかもあなたのような可愛らしいお嬢さんを助けたなんて
まるで梅田のみ様と朔ちゃんのご先祖様みたいね」
麗夫人に告げられた言葉に麻里は目を見開いた。
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