Gold Plum





第四章


疑惑


〜みのり&麻里の場合〜




E




 驚いた様子の野伏間老人へ麻里は頷く。

「はい。とても優しくていい方だと思いました」

 自信満々で答えると、隣で悟がぼやいた。

「そうかなあ。結構乱暴だった気がするけどね」

 なんとなく癪に障る言い方に眉を顰めていると、

そのみのりの横にいた碧が視線を高松へ向ける。

「おや、君も長に会ったことがあったのですか?」

 尋ねる碧の言葉に高松は答えない。

(なぜ?)

 何やら不穏な空気に麻里は小首をかしげる。

一体この2人にはどんな因縁があるのだろう。

麻里は今更ながら高松たちの関係が気になった。

そこへ、野伏間老人の隣で朔太郎が茫然と呟くのが聞こえた。

「あの満が……」

 信じられないとでも言いたげにかぶりを振る朔太郎氏の横で、

麗夫人がまあ、と愉快げに笑いかけてくる。

「満が人間を! しかもあなたのような可愛らしいお嬢さんを助けたなんて

まるで梅田のみ様と朔ちゃんのご先祖様みたいね」

 麗夫人に告げられた言葉に麻里は目を見開いた。










一つ前を読む   GPの部屋に戻る   次を読む