Gold Plum





第四章


疑惑


〜みのり&麻里の場合〜




IG




「八蜘蛛神社って太一君と小越先生が見つけた紙に書いてあった

場所ですよね?」


 再び始まりそうになる碧と高松の言い合いをそのままに、

みのりは麻里へ体を向けた。

誘拐された律子を救出するために集まった際、

次のヒントになるものを取得した帰りだと言っていたことを

思い出す。


「え? ええ。そういえばそうね」

(なんで目を泳がせたのかしら?)


 突然話しかけたのが悪かったのだろうか。


(それとも何か隠し事でもあるのかしら?)


 そもそもここにいるメンバーのことはもちろん、

ここにはいない人たちのことだってよく知らない。

だから隠し事の1つや2つあっても不思議はないと思っている。


(私だって家出してること、秘密にしてるしね)


 だいたい黄金梅を実らせようとしなければ

なんの接点もない集まりだ。

性別はもちろん年齢だって違う。


(でも同じ時期に黄金梅を咲かせようとする人たちが

複数も出てくるなんて聞いたことなかったわ)


 全部を読みきったわけではないが、

古文書にだってそんなことは書いてなかったはずだ。


(偶然? それともこの人数に何か意味があるのかしら?)


 みのりが物思いに耽っている間にも話は続いていた。










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