Gold Plum
第四章
疑惑
〜みのり&麻里の場合〜
三
IG
「八蜘蛛神社って太一君と小越先生が見つけた紙に書いてあった
場所ですよね?」
再び始まりそうになる碧と高松の言い合いをそのままに、
みのりは麻里へ体を向けた。
誘拐された律子を救出するために集まった際、
次のヒントになるものを取得した帰りだと言っていたことを
思い出す。
「え? ええ。そういえばそうね」
(なんで目を泳がせたのかしら?)
突然話しかけたのが悪かったのだろうか。
(それとも何か隠し事でもあるのかしら?)
そもそもここにいるメンバーのことはもちろん、
ここにはいない人たちのことだってよく知らない。
だから隠し事の1つや2つあっても不思議はないと思っている。
(私だって家出してること、秘密にしてるしね)
だいたい黄金梅を実らせようとしなければ
なんの接点もない集まりだ。
性別はもちろん年齢だって違う。
(でも同じ時期に黄金梅を咲かせようとする人たちが
複数も出てくるなんて聞いたことなかったわ)
全部を読みきったわけではないが、
古文書にだってそんなことは書いてなかったはずだ。
(偶然? それともこの人数に何か意味があるのかしら?)
みのりが物思いに耽っている間にも話は続いていた。
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