Gold Plum
第四章
疑惑
〜みのり&麻里の場合〜
三
IH
「あの地図には驚いたべ。
まさか神社の地図しか書いてないとは思わなかったべ」
「そうですね」
野伏間の言葉に麻里が強く同意する。
(たしかに必死になって謎解きしたあとに
あの地図が出てきたら驚くわよね)
しかも精密な地図ではなく、
誰かがその場で描いたような簡易的な地図だ。
いままでヒントと言えば不思議な物体ばかりだった。
それだけに戸惑いは大きかっただろう。
現に自分も、昨日麻里たちから見せてもらったとき、
一瞬目を疑ったくらいだ。
みのりは二人の驚いた顔を容易に想像することができた。
それは麗も同じだったようだ。
野臥間たちと負けず劣らず、目を丸くしている。
「あら、そうなの?」
しかしすぐに顎先へ人差し指を添えると、
ゆったりとした口調で自問するかのようにしゃべり始めた。
「でも八蜘蛛神社は昔から雪姫様をお守りするために修験する場所
なんでしょう? もしかしたら試されてるのかもしれないわね」
麗の言葉は目から鱗が落ちたような気分にさせられた。
彼女のような考え方をしたことがなかったからだ。
もっと詳しく聞きたい。
みのりは逸る気持ちを抑えつつ、麗へ詰め寄った。
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