Gold Plum





第四章


疑惑


〜みのり&麻里の場合〜




IH




「あの地図には驚いたべ。

まさか神社の地図しか書いてないとは思わなかったべ」

「そうですね」


 野伏間の言葉に麻里が強く同意する。


(たしかに必死になって謎解きしたあとに

あの地図が出てきたら驚くわよね)


 しかも精密な地図ではなく、

誰かがその場で描いたような簡易的な地図だ。

いままでヒントと言えば不思議な物体ばかりだった。

それだけに戸惑いは大きかっただろう。

現に自分も、昨日麻里たちから見せてもらったとき、

一瞬目を疑ったくらいだ。

みのりは二人の驚いた顔を容易に想像することができた。

それは麗も同じだったようだ。

野臥間たちと負けず劣らず、目を丸くしている。


「あら、そうなの?」


 しかしすぐに顎先へ人差し指を添えると、

ゆったりとした口調で自問するかのようにしゃべり始めた。

「でも八蜘蛛神社は昔から雪姫様をお守りするために修験する場所

なんでしょう? もしかしたら試されてるのかもしれないわね」


 麗の言葉は目から鱗が落ちたような気分にさせられた。

彼女のような考え方をしたことがなかったからだ。

もっと詳しく聞きたい。

みのりは逸る気持ちを抑えつつ、麗へ詰め寄った。










一つ前を読む   GPの部屋に戻る   次を読む