Gold Plum





第四章


疑惑


〜みのり&麻里の場合〜




II




「試されてるってどういう意味ですか?」


 みのりは期待を込めて麗を見つめる。

しかし、彼女からの答えは自分でも思いつくものだった。


「それは地図のとおりに八蜘蛛神社へ行ってみないことには

わからないんじゃないかしら?」


 平然と言い放つ老女へ、麻里が首をかしげる。


「今から、ですか?」

「い、嫌よ!」


 反射的に否定の言葉を口にした。

思ったよりも声が大きかったようだ。

山波が目を見開き、まじまじと見てくる。


「みのり様? どうされたんですか?」


(つい昨日のことだというのに私が涼介と言い合っていたことを

忘れてちゃったの?)


 敵からの襲撃を受けてしまったせいで

山波の中ではなかったことになっているのだろうか。

みのりはデリカシーの欠片もない山波を睨みつけ、

力強くテーブルを叩いた。


「八蜘蛛神社へ行くってことは

つまり涼介に会うってことじゃない!」

「まあ、そうでしょうね」


 怯んだように固まる山波とは違い、碧が平然と返してくる。

それがまた癪に触った。










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