Gold Plum
第四章
疑惑
〜みのり&麻里の場合〜
三
II
「試されてるってどういう意味ですか?」
みのりは期待を込めて麗を見つめる。
しかし、彼女からの答えは自分でも思いつくものだった。
「それは地図のとおりに八蜘蛛神社へ行ってみないことには
わからないんじゃないかしら?」
平然と言い放つ老女へ、麻里が首をかしげる。
「今から、ですか?」
「い、嫌よ!」
反射的に否定の言葉を口にした。
思ったよりも声が大きかったようだ。
山波が目を見開き、まじまじと見てくる。
「みのり様? どうされたんですか?」
(つい昨日のことだというのに私が涼介と言い合っていたことを
忘れてちゃったの?)
敵からの襲撃を受けてしまったせいで
山波の中ではなかったことになっているのだろうか。
みのりはデリカシーの欠片もない山波を睨みつけ、
力強くテーブルを叩いた。
「八蜘蛛神社へ行くってことは
つまり涼介に会うってことじゃない!」
「まあ、そうでしょうね」
怯んだように固まる山波とは違い、碧が平然と返してくる。
それがまた癪に触った。
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