Gold Plum
第四章
疑惑
〜みのり&麻里の場合〜
三
IIA
「ごぉらぁぁぁー、くそじじぃどもが!
また俺に許可なく人間を入れやがったな!」
聞き覚えのある声が耳をつんざく。
足音高く近づいてくる存在を見て、麻里は歓喜した。
「満さん!」
また会えた。
それだけで知らず胸が高鳴り、体温が上昇する。
(こんなに早く会えるなんて!)
敵だ、と言っていたけれど、
こんなに友好的に話をしていることを知れば、
彼の考えも変わってくれるかもしれない。
そんな期待を込めて大股で歩いてくる満に微笑みかける。
だが、長身長髪の男は一瞥さえしてくれなかった。
(なぜ?)
両手が震える。
今はそんな時ではない。
そういうことなのかもしれないが、
視線さえ避けられたことに麻里は衝撃を受けた。
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