Gold Plum





第四章


疑惑


〜みのり&麻里の場合〜




IIA




「ごぉらぁぁぁー、くそじじぃどもが!

また俺に許可なく人間を入れやがったな!」

 聞き覚えのある声が耳をつんざく。

足音高く近づいてくる存在を見て、麻里は歓喜した。

「満さん!」

 また会えた。

それだけで知らず胸が高鳴り、体温が上昇する。

(こんなに早く会えるなんて!)

 敵だ、と言っていたけれど、

こんなに友好的に話をしていることを知れば、

彼の考えも変わってくれるかもしれない。

そんな期待を込めて大股で歩いてくる満に微笑みかける。

だが、長身長髪の男は一瞥さえしてくれなかった。

(なぜ?)

 両手が震える。

今はそんな時ではない。

そういうことなのかもしれないが、

視線さえ避けられたことに麻里は衝撃を受けた。










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