Gold Plum





第四章


疑惑


〜みのり&麻里の場合〜




IIC




「黄金梅だと」

 眉間に深い皺を刻み、満が近づいてくる。

「はい」

 麻里は目を瞬かせながら満の問いに頷いた。

どうしたのだろう。

やはりいつもの満と様子が違う。

(怒ってるの? なぜ?)

 訳がわからず戸惑っていると、隣にいた高松が腕をひっぱった。

「麻里君」

 咎めるようなその声に反応したのは満のほうが先だった。

彼は声をだした高松と麻里を交互に見ると、突然笑いだした。

「お前は……ハハハ。そういうことかよ」

 睥睨(へいげい)してくる満を前に、麻里は困惑した。

「え? どうしたんですか? 満さん?」

 いきなりなんだというのだろう。

(そういうことって、なんなの?)

 意味はわからないが、

どうやら何か誤解が生じたのだということは理解できる。

(ちゃんと説明しなくちゃ)

 麻里は決意とともに満を見つめた。










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