Gold Plum





第四章


疑惑


〜みのり&麻里の場合〜




IID




「麻里、昨日会ったとき言ったよな。『次に会うときは敵どうし』だって」

 暗い瞳で見据えてくる満に麻里は首肯する。

「はい。でも私は認めてないし、諦めるつもりもありません」

 正直に答え落ちついてもらうため深呼吸する。

だが、それより先に右手をつきだされ、出すはずの言葉を制された。

「それはお前の勝手だ。俺には関係ない。黄金梅は俺が先に実らせる!」

 一方的に宣言するなり部屋を出て行ってしまう。

(満さん!)

 泣いているのかと疑ってしまうほど、悲しい瞳をしていた。

(追いかけなくちゃ!)

 だが足を動かしかけた時、向かいから声をかけられた。

「ちょっとどういうことですか、先生?」

 説明を求めるみのりを無視して、麻里は一歩を踏み出す。

「満さん!」

 背後から自分を止める声が口ぐちに聞こえてくるのも構わず、

麻里は急ぎ満を追った。










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