Gold Plum
第四章
疑惑
〜みのり&麻里の場合〜
三
IID
「麻里、昨日会ったとき言ったよな。『次に会うときは敵どうし』だって」
暗い瞳で見据えてくる満に麻里は首肯する。
「はい。でも私は認めてないし、諦めるつもりもありません」
正直に答え落ちついてもらうため深呼吸する。
だが、それより先に右手をつきだされ、出すはずの言葉を制された。
「それはお前の勝手だ。俺には関係ない。黄金梅は俺が先に実らせる!」
一方的に宣言するなり部屋を出て行ってしまう。
(満さん!)
泣いているのかと疑ってしまうほど、悲しい瞳をしていた。
(追いかけなくちゃ!)
だが足を動かしかけた時、向かいから声をかけられた。
「ちょっとどういうことですか、先生?」
説明を求めるみのりを無視して、麻里は一歩を踏み出す。
「満さん!」
背後から自分を止める声が口ぐちに聞こえてくるのも構わず、
麻里は急ぎ満を追った。
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