Gold Plum





第四章


疑惑


〜みのり&麻里の場合〜




B




「やあ、カラス君が連れてきてくれてね」


 涼介の兄で黄梅市長でもある梅畑雅秋が片手をあげ、

満へ爽やかな笑みを向けている。


(なんであの人がこんなところに……)


 予想外の人物の登場に困惑する。

まさか自分たちを追ってきたのだろうか。

しかし、それにしては満と親しげな気がする。

みのりはそのまま気配を消し、彼らの会話を盗み聞きすることにした。


「それよりもなんだか今日は一段と機嫌が悪いようだが。

君のほうの計画はどうなってるのかと思ってね。

上手くいってるのかい?」

「ちっ、鴉生のやろうが……

そんなことより要件があるなら電話しろって言ってあるだろうが!

勝手にこんなところまで来てんじゃねーよ!

それにあんたに心配されなくても計画は順調に決まってんだろう?

あんたのほうはどうなんだ? 弟はちゃんと言うこと聞いてんのか?」


 友好的に話す市長とは違い、

満は敵意をむき出しにしたまま話している。

だが、きちんと市長の質問に応じているあたり、

二人が何度も会っている関係柄だということはわかった。










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