Gold Plum
第四章
疑惑
〜みのり&麻里の場合〜
四
II@
満を挟んだ向かい側に麻里の姿を見つける。
どうやら麻里を探しているうちに、家をぐるりと一周していたようだ。
野臥間家に乱入したしてきた長を追いかけ
家から出て行ったと思っていたのだが、早とちりだったらしい。
(まったく先生も家の中にいるならいるっていってほしいもんだわ)
みのりは八つ当たり気味に麻里を睨みつけた。
しかし彼女は満にだけ集中しているため気づくことはない。
もちろん彼らに見つからないよう隠れているのだから当たり前だろう。
(それにしても先生まで盗み聞きしてたなんて……)
大人だろうが子供だろうが考えることは同じなのかもしれない。
そう思うと、少しだけ罪悪感が薄まった。
苦笑しながら肩を竦め、でも、と物思いにふける。
(先生って、高松っていう人の仲間なのよね……
ってことは、教師でもなんでもないってこと?)
確かさっき市長が、高松は都の教育委員会の人間ではなく
『首都再計画執務室の室長』だと言っていた。
仮に麻里が本物の教師だとしても高松の肩書など知らないはずがない。
それにも関わらず嘘の肩書を通していたということは
彼女が高松サイドの関係者だということは明らかだった。
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