Gold Plum
第四章
疑惑
〜みのり&麻里の場合〜
四
IIA
(つまり、気を許しちゃダメってことね)
これから協力していくメンバーを思い浮かべながら
みのりは嘆息する。
涼介は市長側の人間で、いつ出し抜かれるかわからない。
麻里は今回の件で、都の人間だということがわかった。
山波は従順な態度を取ってくれてはいる。
しかし彼はどちらかというと現当主である母と同じ考えの持ち主だ。
今は従っていては家出しているとわかったら
きっと本家へ情報を流すに決まっている。
(こう考えると私に無害そうなのって太一君と野木崎さんくらい?)
だが、太一は涼介へ絶大な信頼を寄せているようだ。
下手なことを言って、回りまわって市長の耳に入ってしまう恐れもある。
野木崎のほうは野木崎のほうで麻里と仲が良かったように見えた。
きっと今回野木崎を救出したときに話した内容はすでに高松に
知れ渡っているに違いない。
(結局どんなときでも信用できるのは碧と紅だけってことね)
ここにはいない側近たちの顔を脳裏に描き、みのりは苦笑した。
一つ前を読む GPの部屋に戻る 次を読む
|