Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


五


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「そういえば梅畑君は始めから八蜘蛛神社のことを聞くために

ここにきたね」

「そうですよ。あの神社俺の家が近いんで」


　律子の質問になんのてらいもなく返答する涼介に、

太一は飛び跳ねる。


「やっぱりそうだったんだ！　お兄ちゃんはすごいなー！」


　予想していた通りだ。涼介を信じてついてきた良かった。


　すべて、黄金梅のおかげだ。

祖母から種をもらったときにはこんな出会いがあるなんて

想像もしていなかった。

種のせいで祖母や母を悲しませてしまったときは

ひどく落ち込んだ。

けれど、その種のおかげで出会った

涼介や律子たちの助けによって自分のやりたいことを

伝えることができた。


（ばぁちゃんは笑ってくれなかったけど）


　それでも黄金梅を咲かせることに最後は反対しなかった。

きっと涼介の説得が祖母の心に響いたに違いない。


（さすがはぼくのお師匠様だ！）


　太一ははしゃぎながら手を叩いた。


「全然すごくなんかないよ」

「すごい、すごい」


　太一は否定してくる涼介の言葉を聞かずに、

ぶんぶん勢いよく彼の手を振り回す。

苦笑い浮かべる青年に、腕を痛めてしまったのかと我に返る。

そっと手を放し、唇を噛みしめながら涼介の顔色を窺う。

しかし、涼介の唇を開く前に律子が割り込んできた。


「それで、今から八蜘蛛神社へ向かうってことでいいのよね？」

「はい。そうですね」


　涼介が肯定する。

それを見計らうように、エレベーターがポンと鳴った。