Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


五


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「お兄さんも冴島先生のところに行くの？

ぼくたちは今、先生から話を聞いてきたんだよ」


　太一は居てもたってもいられず、雅仲たちの会話に割り込む。

突然入ってきたことに驚いたのだろうか。

それとも小学生である自分の口から冴島の名前が出てきたこと

だろうか。あるいはその両方かもしれない。

大人2人から見定められるようにじろじろと見られ、

太一は居心地悪さに俯いた。


（ど、どうしよう。話しかけちゃダメだったのかも）


　母である一美から、大人の話に口を挟んではいけないと

怒られたことを思い出し、血の気が引く。


（お兄ちゃんのお兄ちゃんに嫌われちゃうかも！）


　せっかく涼介と一緒に行動してもいいと

許してもらえたばかりなのに。太一はどうすればいいかわからず、

下を向いたまま視線をあちらこちらへ移動させる。そのときだ。

涼介がこっそり律子に何かを耳打ちしているのが見えた。


「この方が梅宮みのりさんのお兄さん、

つまりは梅宮家のご長男なんです」

「え、ええええええ！」


　いきなり律子の絶叫が木霊する。

太一はその声に、ビクッと肩をすくめた。