Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


五


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「ほら、他の親族もいたしね……」

　梅八家の人間たちの中には、

次期当主であるみのりのことをよく思っていない人間もいる。

かく言う長兄もその一人だったはずだ。

（そういえば、それなのになんで俺とみのりさんが見合いをするんだ？）

　あんなに本家と距離を取ろうとしていた長兄が、

梅宮寄りになるとは思わなかった。

よくよく考えてみると、

みのりと自分が見合いをしても得をする人間がいるとは思えない。

自分がみのりさんと、って選択もあっただろうしなあ……）

　まあ、年齢が違いすぎるというのもあるのかもしれないが。

首をひねっていると、野木崎がしきりに頷いてきた。

「そうよね。他の親族のかたには秘密にしておきたいわよね」

　同情を含んだその声音に、涼介は正直に頷く。

「ええ……。梅八家も一枚岩ではないので……」

「組織が大きいと色々あるものね」

「はい。本当にそうですね……」

　理解を示してくれる野木崎がなんだか心強く、涼介は拳を握りしめた。

自分はこれから長兄に背くことになるのかもしれない。

その覚悟があるのだろうか。

白い床へ視線を落としていると、おもむろに太一が呟いた。