Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


六


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「あれ、もしかして……、あの銀杏の木ってお社の後ろにも

植わってたりします？」


　言いながら涼介が、斜め横に生えている木を指差す。

太一が青年の指に吊られる形で顔を向けると、律子も同じように

目線をずらした。


「そういえばそうね。あら？　ここにある銀杏の木をつなげたら

八角形になりそうじゃない？」


　全体を見回すように視線を動かす律子に、太一は首を横に傾ける。


「え？　どういうこと？」


「うんと。つまり、やっぱりあの銀杏のどこかに蜘蛛がいるんじゃ

ないですか？　もしくは何かが埋まっているか……」

「本物の蜘蛛じゃないってこと？」


　涼介の導き出した答えに目を見開く。

でも確かに青年の言うように、冴島から聞いた話の内容には沿って

いる。律子も同じように思ったのだろう。

静かに頷いたあと、にこりと微笑んだ。


「その可能性は十分にありそうね。

蜘蛛の形をした何かがあるのかもしれないわよ」

「うん。太一君や野木崎さんの言う通り、

本物の蜘蛛じゃないのかもしれない。今度は根本を探してみよう」


　先ほどまであった気落ちした様子はなくなり、

涼介の顔にも笑みが戻る。


「そうしましょう。

とりあえず、最初はみんなで探してみましょうか」

「わかった！」


　律子の提案に太一は一にも二もなく頷く。

そして３人で再び銀杏の木の辺りを探して始めた。