Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


六


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「根元はどうです？　野木崎さん」


　尋ねると、野木崎が小首をかしげる。


「根元？　ちょっと待ってね」


　なんのためらいもなく落ちていた小枝で根元の土を掘り出す。


（さすが緑の手。あの花壇きれいだったからなあ）


　根本的に土を触ることが好きなのだろう。

しばらく無言で野木崎の作業を見守っていると、

ふいに野木崎の手が止まった。


「あら、これ何かしら？」


　不思議そうに土の中を見つめている野木崎を前に、涼介は身を乗り出す。


「え？　何か見つかりましたか？」


　問いかけると、野木崎が小さな飴色の玉をかざしてきた。


「ビー玉みたいだね。あれ？　これ中に蜘蛛が入ってない？」

「え？　本当？」


　太一の言葉に野木崎が慌てて土を払い、もう一度光にあてる。


「あ、本当だ」


　まさか本当に土に埋まっているとは思わなかった。

小さな玉の中には確実に黒い蜘蛛が入っている。

こんなにすぐに見つけられたのは野木崎の勘の良さ、

運の良さもあるだろう。


「野木崎さん、すごいですね！」


　破顔して野木崎を見やると、野木崎はクールに肩を竦めた。