Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


六


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「これ、どうするればいいんだろう？」


　到着するや、涼介が手を伸ばす。

太一が背伸びをした青年の指先に少しだけ掠った白い塊を

見上げていると、律子が息を整えながら事もなげに言い放つ。


「繭を取ったらいいんじゃない？　冴島先生の話にも出てきたし」

「簡単に言うなあ……。しかたない。取りますよ」


　肩を竦める涼介に、太一は思っていたことを口に出す。


「これが繭？　野球のボールみたいに大きいね」

「野球ボールより大きいけど、それより軽いかも」

「お兄ちゃん頑張れー！」


　涼介がよいせ、と声をあげジャンプする。

青年はむしりとるように繭を掴むと、難なく地面へ降り立った。


「ソフトボールくらいかしらね？」

「大きさは。でも軽いんですよ。ほら」


　片手にすっぽりと収まった繭を律子へ渡しかけた時、

繭がぱっくり割れる。


「わー！！」


　慌てふためく青年に太一も驚き、目をきょろきょろと動かす。


「え、何、なに？　どうしたの？」


　わたわたとお手玉でもするように手のひらで繭を弾かせている

涼介に律子が呆れたような声を出した。


「ちょっと、何をやっているのよ梅畑君」

「い、いや。俺別に何にも……」


　困り気な顔で涼介が弁明を口にすると、

繭の中からひらりと薄茶色した物が落ちる。


「中から何か落ちてきたよ」


　太一はそれを拾い上げ、涼介たちに見せた。