Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


一

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「うん。

俺の友達も教授も、ちゃんと偉い人の許可をもらって調べてるんだよ。

だから、ちょっとね……」


　涼介が眉間に皺を寄せ、腕を組み考え始めた。

太一も青年を真似し、向かい合いながら腕を組む。

そしておもむろに疑問に感じたことを口にした。


「そうなんだ。なんでおばちゃんは知ってたんだろう？」


　たしか知人から教わったと言っていた。

とういうことは、律子の知人も教授と同じように

許可をもらっているということなのだろうか。


（偉い人の許可って、やっぱりみのり様くらいの人のことなのかなー？）


　敵に襲撃され、

散り散りになってしまった梅宮みのりのことを脳裏に浮かべた。


（そういえばみのり様たちもちゃんと逃げきれたかなー？）


　碧や紅といった護衛がついているから大丈夫だとは思う。

だがそれと同時に、勇ましく敵へ挑みかかろうとしていた山波を思い出し

一抹の不安がよぎる。


（おじちゃんが足を引っぱってないといいけど……）


　逃げる前に見たのは、

みのりたちに引きずられるようにして別方向へ走って行く姿だった。