Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


二


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「だいたい梅畑君って言いましたっけ？

あなた大学三年生ならもう二十歳を過ぎているでしょう？

それなのに小学生と一緒になって黄金梅を咲かせるだなんて夢みたいなこと

言って。しかもご本家のお名前まで勝手に出すなんてどういうつもりなの！」


　マシンガンのように言葉を発する一美の勢いに涼介が体をのけぞらせる。

このままでは青年が母親に飲みこまれてしまいそうだ。

なんとかして彼を助けなければ。太一は勇気を振り絞り、

母親の気を向かせようと声を張った。


「黄金梅は本当に咲くよ！」


　強く鼻息を吐きながら一美をじっと見つめる。

しかし、それが余計に母の怒りを買ってしまったみたいだ。


「太一、ママは今、そこにいるお兄さんとお話しをしているの！

わかるでしょう！」


　一美が言葉を強調させるように区切りながら指を差してくる。

太一は顔面に母親の唾を浴びながら、目をつむった。

キーンと耳鳴りがするほど大きな一美の声に、吹き飛ばされてしまいそうだ。

背中を反らせながらもなんとか足を踏ん張っている太一を救ってくれたのは、

やはり涼介だった。