Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


二


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　閉め出された玄関の外で、涼介は急ぎ太一へメールを打った。

『大丈夫かい？　おばあさんたちにうまく説明できなくてごめんよ。

でも、どうにか認めてもらうよう努力するから』

　あまりにもふがいなくてそれ以上のことは書けず、とにかく送信する。

すると、すぐに返信があった。

『ママとばぁちゃんがごめんね。ぼくは大丈夫。

でも、ママが今日は外に出るなって怒ってる。どうすれば許してくれるかな？』

　きっと泣いていることだろう。

今まで見たことのない親と祖母の厳しい一面を見てしまい、

戸惑っているかもしれない。

誰が悪いわけでもない、とこの子にどう伝えたらいいのか。

涼介は悩んだ末指を滑らせる。

『俺がきちんと説明すれば許してもらえると思うよ。

とりあえず、話を聞いてもらえるまでここにいるつもりだから』

　幼い太一を巻き込んでしまったのは一途な想いに対し、

深く考えず同意してしまった自分にも責任がある。

だが、あの時あのまま太一に黄金梅のことを諦めさせることも、

また間違っている気がするのだ。

（俺がちゃんとわかっていればもう少し穏便に事を運べたかもしれない）

　すんでしまったこととはいえ、もう少しやりようがあったのではないかと思うと、

歯がゆくてしかたがない。

ぎりり、と奥歯を噛み締めていると、太一から返答がくる。

『お兄ちゃんばっかりが大変なのはイヤだよ！　ぼくも何か手伝いたいんだ！』

　太一の言葉に涼介は困惑した。