Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


二


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『そう。わかったわ。でも実際問題、結構危険な目に合い始めているじゃない？

それをどうやって説得するかよね？』

『ありがとうございます。みのりさんのことを話します。

美都子様への信仰が厚い方のようでしたが、

きちんと話せばわかってくれる人のような気がしました』

　ただ、獣人に対しての憎悪が思った以上に強い。

あれを本当に覆すことができるのか、それは正直自信がなかった。

『今回の件でママ友を失くす覚悟をしないといけないだなんて思ってもみなかったわ……。

これも回りまわってってことなのかしらね。

って、君に愚痴っても仕方ないわよね。わかりました。明日、太一君の家に伺うわね』

　送られてきた野木崎の文面を見て、涼介は唇を噛み締める。

そうだ。そんなつもりはなかったが、

野木崎からすればそういった覚悟を決める必要があるだろう。

自分にはほとんど友人と呼べるような人物がいないから考えが及ばなかった。

唯一の友人と言えば友永だが、

彼ともし今後話せなくなるようなことになるのだと考えると胸が詰まる。

『ありがとうございます。本当にすみません。

そんなことにはならないように頑張りますから、どうぞよろしくお願いします』

『これは私の問題だから君が謝る必要もないし、頑張ることもないわ。

君は太一君のことだけを心配していなさい』

　ああ、自分はなんてガキなのだろう。

こういう時に痛感する。

結局できることは、太一の祖母を説得することくらいしかないのだ。

『はい。ありがとうございます』

　絶対にどうにかする。

涼介は太一の家の明かりを見あげながら拳を握り締めた。