Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


三


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　太一のメールがあってからさらに待つことしばし。

今度は野木崎からメールがあった。

『梅畑くん、おはよう。あのあと家に帰ったと言ってほしいけど、

まだ太一くんの家の前だったりするのかしら？

太一くんの家には８時半頃つくと思うわ。』

　相変わらず棘を感じる野木崎の文章に涼介は苦笑する。

『おはようございます。申し訳ないですけど帰ってません。すみません。

８時半ですね。よろしくお願いします』

　なるべく要件だけを書いて返信すると、案の定あきれ返ったようなメールがきた。

　 『そう。なんとなくそんな気はしていたわ……。はあー。

またあとで会いましょう』

『はい。すみませんが、よろしくお願いします』

　野木崎を巻き込むことは本当に心苦しい。

彼女には守るべき存在があるのだから一人身の自分とは違う。

（でも、そもそも俺、

野木崎さんがなんで種持ってたのかさえ知らないんだもんなあ……）

　だいたいなぜ一主婦の彼女をあの獣人たちは攫ったのだろう。

（牽制？　それとも、やっぱりみのりさん狙いか？）

　みのりのほうは無事だろうか。

碧と紅がいるのだから大抵のことは乗り切れるだろうが、

多勢でこられたら彼らでも一筋縄ではいかないだろう。