Gold Plum

第四章


疑惑


〜涼介＆太一の場合〜


三


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　学校が好きな太一にとって、

みんなに会えないことは何より辛いに違いない。

考えなしと言われればそれまでのことをやっているわけで、

大人たちが呆れるのも無理はないのだ。

密かに肩を落としていると、

それを察したらしい野木崎があー、と話を変えてくる。

「それで、えっと、今から行くわけだけど……

何か打ち合わせしておくこととかあるかしら？」

「いえ。俺は太一君が黄金梅の謎を解いて夢を叶えることを許してほしいだけですから」

　正直に告げると、野木崎が深く吐息した。

「……そう……わかったわ。そ、それじゃあ、チャイムを鳴らすけどいいわね？」

　問いかけてくる野木崎に頷くと、彼女とともに扉の前へ行く。

なかなか踏ん切りがつかないのだろう。

深呼吸を繰り返す野木崎を前に、涼介は意を決した。

「あ、俺が鳴らします」

　口にするのは勇気がいったが、でてきた声は思ったより軽く自分でも戸惑う。

「そ、そう？　それじゃあ、お願いしようかしら……」

　そこは否定してほしかったな、などと弱気なことを思いつつ、

涼介はドアホンに指を置いた。